「確定申告」という言葉を聞いたことがある人も多いでしょう。
副業としてブログやサイト運営をしている人は避けて通れない確定申告。
副業NGの会社であれば、会社にバレないようにするためにもしっかりとやっておく必要がある大切な手続きです。
確定申告の時期になると、多くのフリーランスや事業主、税理士たちがお祭り騒ぎになります。
確定申告を忘れていてペナルティで税金を多く払わなければいけなくなったという事例もあるので、ぜひこの記事でしっかりと理解しておきましょう。
- 確定申告とはそもそも何なのか?
- どのような条件を満たせば確定申告が必要なのか?
- 確定申告はどのような手順で行うのか?
本記事では、副業としてブログのアドセンスやアフィリエイトから収入を得ている人に向けた確定申告の解説をしていきます。
給与所得が発生するようなアルバイトやダブルワークの確定申告については、本記事では解説いたしません。
Contents
確定申告は所得税を調べるための手続きです
まず確定申告について簡単に解説します。
- 確定申告・・・所得税がいくらかかるかを算出するために、一年間の所得を税務署へ申告すること
- 所得税・・・本業の給料や副業の収益等の「所得」に対してかかる税金
所得税は「給与所得」「事業所得」「雑所得」等のあらゆる所得にかかってくる税金なので
お金が発生したら基本的に確定申告して所得税を納めないといけないものだと思って下さい。(不用品をフリーマーケットやフリマアプリで売る場合は確定申告不要)
確定申告を行っていないと脱税行為に当たりますので注意が必要です。
ちなみに確定申告の時期は毎年決まっています。
1月から12月にかけての1年間で発生した所得分の申請を
翌年の2/15~3/15の1か月間の間で行います。↓
つまり、1月の頭の時点で前年度の売上と経費を計算できるので確定申告の準備自体は勧める事ができる訳です。
しかし、みんなそんなに真面目じゃありませんので結局2/15以降からバタバタします。
夏休みの宿題は残り数日になってからが本番。
私も含めて、多くの人達は追い込まれてから動きだすのです。
※2020年現在では、新型コロナウイルスの蔓延により確定申告期間が設けられていません。
確定申告の簡単な手順
確定申告の細かな手順に関しては別記事でまた解説します。
基本的には確定申告書を国税庁のHPからダウンロードして
必要事項を書類を記入した状態で税務署や特設会場に提出すればOKです。
確定申告の主な方法は以下の3つ。
- 管轄の税務署や特設会場に直接提出しに行く
- 税務署に申告書を郵送する
- パソコンから電子申告システム(e-Tax)で申請する(マイナンバーカードが必要)
確定申告に必要なもの
確定申告に必要なものは、申告方法やその人の状況に応じて若干変わってきますが
主に以下の5つです。
- 本人確認書類・・・マイナンバーカード、住民票、運転免許証、パスポート等
- 印鑑・・・シャチハタ不可
- 確定申告書A、確定申告書B・・・申告書Aはサラリーマンや年金所得者が対象。申告書Bは事業所得や不動産所得がある人が対象。(e-Taxの場合は不要)
- 白色申告書、青色申告書・・・青色申告書は経費等の細かい帳簿付けの必要有り。しかし特別控除で最大65万円節税できる。白色申告書は帳簿付けは不要で簡単だが、節税メリットは無し。
- 源泉徴収票の原本、支払調書の原本・・・勤め先の給与等が明記された書類。無くさないように!
ブログ運営で確定申告する人は確定申告書Bになります。
さらに、開業届を出して個人事業主となった方が青色申告書の申請を行っていれば青色申告書で提出できます。
開業届を出していない人は白色申告書での提出となります。
この点に関しても別記事で詳しく解説します。
副業ブログのアドセンス・アフィリエイトで確定申告をしないといけない条件は?
副業ブログのアドセンスやアフィリエイトで確定申告が必要な人は以下の条件に当てはまる人です。
- 本業の給与以外の所得が20万円以上の場合(ブログ以外に株やFX・不動産で所得がある人はそちらも合算)
- 給与以外の所得が20万円以下でも、2か所以上の勤め先から給与を得ている場合
②は副業と複業をしているという特殊な方なので、なかなか該当する人はいないでしょう。
「所得」とは「売り上げ」から「経費」を差し引いた金額を指すんだ!
所得=売上-経費
経費とはそのビジネスを行う際にかかった費用の事です。これは非常に多岐にわたります。
ブログでアドセンスやアフィリエイトを行う際にかかる経費は次のようなものです。
- サーバー代・ドメイン代
- アフィリエイトするために購入した商品・サービスの費用
- アフィリエイト報酬振込手数料
- 書籍代
- 交通費(仕事に関するもの)
- 交遊費・飲食代(仕事に関するもの)
- 電気代の一部(在宅ワークの場合)
- 通信費・インターネット代(在宅ワークの場合)
- 家賃の一部(在宅ワークの場合)
- セミナー開催費
細分化すればもっとありそうですが、とりあえずこのくらいで。
つまりブログを運営して21万円程度の売上であれば
経費を色々見つけて差し引くと、確実に20万円は切ります。
どのくらい自分の副業に経費が使われているかを定期的にチェックしておくことが大切ですね。
会社の給与所得はなぜ確定申告が必要ないのか?
しかし、そこは会社が毎月の給料から所得税を天引きしてくれているから、自分たちがわざわざ確定申告する手間は要らないんだ。
ちなみに、所得税は本来、生命保険や社会保険などに加入していると少し安くなるのですが
毎月給料から差し引かれる所得税には生命保険料の控除が反映されていません。
いわゆる、大雑把に会社側が計算した所得税なんです。
だからこそ年末調整の時に
今加入している生命保険等を職場に申請することで
多く払い過ぎた所得税を還付金として払い戻してもらえるような仕組みになっているんです。
年末調整ってそんな理由で行われていたんです。
年末調整・・・毎月の給料から天引きされた所得税の過不足を清算するために、一年間の所得税の中で適用されていなかった生命保険料等の控除額を調べる事
つまり、本業の方で発生している給料に対しては所得税を払うための確定申告は一切必要ありません。
副業の方だけで確定申告の有無を判断する必要があるという事ですね。
副業ブログが会社にバレるのは「住民税」が原因だった
さて、ここまで確定申告と所得税について解説してきましたが、
いよいよ副業バレがなぜ起こりうるのかという所の核心に迫っていきます。
先ほどは給与所得から「所得税」が自動的に差し引かれてしまうという事について解説して行きましたが、
もう一つ給与から自動的に差し引かれるものに「住民税」があります。
副業が会社にバレる要因となりそうなものはいくつもありますが
税金関係でバレるリスクがあるのはこの「住民税」なんです。
- 所得税・・・所得に対して課せられる税金。国に治める。給与から自動天引き。
- 住民税・・・住まいの自治体に納める税金。給与から自動天引き。
副業ブログのアドセンスやアフィリエイトで収益が発生すると
住民税を各自治体に納める必要が出てきます。
その際に発生した住民税は、副業の分の住民税のはずなのに、なぜか本業の給与から自動で天引きされるシステムになっているんです。
つまり副業によって、会社の給料から差し引かれる住民税が跳ね上がってしまうと、
会社の経理担当の人から怪しまれて副業がバレてしまう可能性があるという事なんです。
これを役所に行って「普通徴収」に変更する手続きをしなければなりません。
- 特別徴収・・・事業主(勤め先の会社)が自動的に給与から住民税を天引きする方法
- 普通徴収・・・居住地の役所から届く納税通知書で自分で住民税を納める方法
一見面倒に思えますが、
この住民税を「普通徴収」に切り替えるためだけに、わざわざ役所に出向く必要はありません。
確定申告してしまうのが一番手っ取り早い方法なんです。
なぜ確定申告をすると職場にバレにくくなるのか?
確定申告の役割は、ただ所得を税務署に報告して所得税を算出してもらうだけで終わりません。
税務署から居住地の役場に住民税をお知らせしてくれる役割もあるんです。↓
つまり、税務署に確定申告を行えば、
あとは勝手に税務署から居住自治体の役場に所得情報が通知されるので
住民税も一緒に算出してもらえます。
確定申告を行う際に確定申告書にある「住民税に関する事項」の↓この枠↓
↑ここで「自分で納付」に○をつけておけば、給与から自動的に住民税が差し引かれる心配はなくなります。
これで副業バレのリスクはグッと減ります。
所得が年間20万円以下なら確定申告はしなくてもいいけど、売り上げが少しでもたっているなら「所得税」は払わないといけないよ!
副業で年間20万円以下の所得でも、住民税は払わないとアウト!
ココが誤解しやすいポイントです。
副業所得年間20万円以下なら確定申告と所得税を支払う必要はありませんが、
1円でも所得が発生していたら住民税を支払う義務はあるんです。
結局は住民税はなんにせよ支払う必要があるため
ブログで収益が発生したら、まずは居住地の市区町村の役所に行って
住民税の徴収方法を「普通徴収」に変更しておく必要があります。
そうしないと給料から引かれる住民税が多くなってしまって、副業バレの可能性は高まります。
そもそも納税の義務があるので、副業バレ云々の前にやっておかないといけない事なんですけどね・・・
副業ブログで確定申告を行う上で会社にバレない秘策まとめ
この記事では、副業でブログやサイトを運営している人で
アフィリエイトやアドセンス収入の確定申告をする際に会社にばれないようにするためのステップについて解説しました。
改めてその流れをまとめます。
- 1月~12月の一年間で副業ブログから20万円以上の所得が発生すると確定申告が必要
- 所得=副業の売上-経費
- 翌年の2/15~3/15の間に確定申告が必要。
- 居住地管轄の税務署に確定申告書を提出する必要がある。
- 納める税金は「所得税」と「住民税」の2つ。
- 確定申告をすれば、所得税と住民税の算出手続きを同時にできる。
- 副業の所得にかかる住民税は、なぜか本業の会社の給料から差し引かれる(特別徴収)ため、副業バレになりやすい。
- 住民税の徴収方法を「特別徴収」から「普通徴収」に変更しておく。
- 副業所得が年間20万円以下でも住民税だけは納めないといけない。
- 住民税だけ納める場合は、居住地の市区町村の役所に届け出る。
この10個の項目はどれも大事ですが、
そもそもの副業バレのリスクを減らすためには⑧の
「住民税の徴収方法を「特別徴収」から「普通徴収」に変更しておく」
というステップが重要です。
始めて確定申告をする年は、年明けの1月あたりから早めに調べておく事をオススメするよ。