インフルエンサービジネスはオワコン化する。
これはネット上で散々取り上げられてきた話題でしょう。
私の考えとしては
インフルエンサーマーケティング手法自体はオワコンとはならないものの、
ファンと時代は次々に別のインフルエンサーへと乗り換えていくため、流行り廃りが激しいと考えています。
今インフルエンサーを目指している無名の人も
インフルエンサーとしての盤石な地位を築くことができた人すらも
これまでのやり方では生きられない時代が必ず来ます。
最近流行りの「自分の好きな事で稼ぐ」というのは、
これから先どんどん需要が増えてくると言われています。
インフルエンサー市場はどんどん伸びてくるのは間違いないでしょう。
しかし、生き残るのは企業案件と繋がる事ができるトップだけ。
とりあえず「インフルエンサーになろう」という至極あいまいな目標で、
既に大きく影響力を持った人の真似をするのは避けた方が賢明だと考えてます。
Contents
インフルエンサーマーケティングの根本的な弱点は「時代の変化」
インフルエンサーは様々な欠点を抱えていますが、
この記事で私が言及したいインフルエンサーの根本的な欠点はただ一つです。
「時代の変化に合わせて、常に影響力を持ち続けないといけない。」
これです。
この根本的な欠点が、インフルエンサービジネスの最大の問題。
しかも軌道修正が極めて難しい。
ここで一度振り返って、インフルエンサーの魅力をまとめてみます。
- インフルエンサーとしての情報発信は少ない投資でも始める事ができる
- 自分のポジションを確立すれば人が集まって影響力を持てる
- 本名顔出しすれば信用性が高まり人からの信頼も厚くなる
- 実績がなくても、日ごろの努力を発信していけばそれが実績になる
- 自分の好きな事を仕事にできる
こんなものでしょうか・・・
それぞれに対して突っ込みどころはありますが、
しいて挙げるならば②、③、④。
この3つは全て「時代の変化に非常に弱い」という共通点があります。
②自分のポジションを確立すれば人が集まって影響力を持てる
↓
時代が変わればポジション需要の変化やライバル登場の恐れがある
③本名顔出しすれば信用性が高まり人からの信頼も厚くなる
↓
本名顔出しすれば、時代が変わった時に「過去の人」としか見られなくなる
④自分の好きな事を仕事にできる
↓
時代が変われば需要が高まる可能性もあるし、需要が落ちる可能性もある
「時代の変化には常にアンテナを貼っておかなければならない」
「時代の変化に対応し続けたものが生き残る」
そんなことは当たり前のように分かっているという人は多いでしょう。
しかしインフルエンサーというビジネスモデルの特性上、この「時代への変化に対応する」というのが
他のネットビジネスのモデルの中でも一際難しいように思えます。
特にヤバイのが「実名顔出し」です。
インフルエンサーはキャラ勝負だが「両刃の剣」
インフルエンサーは自分自身の影響力を高めてそれを武器にしていくので
「キャラクター」や「個性」が強くないと、中々注目を集められません。
基本的に、他のインフルエンサーと同じ様な事をしていてはダメなんです。
そのキャラクターの差別化の一つとして「実名顔出し」という手法がありますが
これは非常にリスクが高い!
実名顔出しだと個人が特定されるからリスクがあると言う事かな?
と思われたかもしれません。
「皆がやらないからこそ差別化になる」とか、
「顔出ししたところでもはや誰も気にしていない」といったプラスの意見もあります。
一度「実名顔出し」をしてしまうとやり直しが難しいというリスクを考えています。
実名顔出しの人が時代の流れについていけなくなってしまったら「過去の人」となります。
一度そうなってしまうと再起が難しいんです。
インフルエンサーは「一発屋の芸人」です。
一発屋と呼ばれる芸人や、時折ブームとなるスイーツ、ダイエット食等々・・・
「流行り」と呼ばれるものは、一度そのブームが去ってしまうとなかなか日の目を見なくなってしまいます。
インフルエンサーも例外ではありません。
キャラクターが強くないとインフルエンサーにはなれない。
しかし、キャラが強すぎると一発屋芸人になる可能性が高い。
大衆から一度注目を浴びた人は、人に飽きられないようにするために緻密な生存戦略を
移りゆく時代に合わせて練っていく必要があります。
インフルエンサーマーケティングの向こう側「新時代」の生存戦略は?
人に飽きられずに注目され続けるには
「権威性」と「エンタメ性」のどちらかが不可欠だと思っています。
- 権威性のある人・・・特定の専門分野に長けており、絶対的なポジションを取り続けられる人
- エンタメ性のある人・・・人を飽きさせないような面白い企画やコンテンツを常に発信できる人
権威性のあるインフルエンサーは「この専門分野ならこの人」と不動の立ち位置を確立できている人です。
エンタメ性のあるインフルエンサーはYouTuberやライバーと呼ばれる、「人を楽しませることにフォーカスした人」です。
どちらも時代の移り変わりにはもろい一面がありますが、
この2つの性質のどちらかを保ち続けないと、
一時的なインフルエンサーになれたとしても一発屋になりかねません。
インフルエンサーとして「権威性」を追求したイケダハヤト氏の事例
個人向け発信者として著名な人に
ブロガーとして名を馳せていたイケダハヤト氏がいますが、
彼は自身で確立した「プロブロガー」という肩書きに固執せず
YouTubeをはじめとした様々なプラットフォームへのコンテンツ開拓に精を出しています。
イケダハヤト氏は自身をインフルエンサーと名乗っており、
特にブログやSNS、YouTubeで情報発信をする個人からの指示を集めています。
物怖じしない極端な言動が多いので、常にアンチに付きまとわれている人ですが
自分が確立したプロブロガーというポジションに固執せずに、
時代の流れを見極めて転身していった姿勢は見習うべき所です。
彼は「ブロガー」という限られた領域から
よりニュートラルな「情報発信全般」というエリアにフォーカスしていき、
インフルエンサーとしての権威性をより高めて行きました。
(※私自身は彼のファンでもアンチでもありません。)
「エンタメ性」を追求したオリエンタルラジオ中田敦彦氏の事例
お笑い芸人オリエンタルラジオの中田敦彦氏はこれまでに幾度ものムーブメントを巻き起こしています。
- リズムネタ「武勇伝」が流行る
- 高学歴芸人としてのバラエティ需要
- リズムネタ「ラッスンゴレライ」の完コピ
- 「パーフェクトヒューマン」
- YouTuberとして情報発信
パッと思いつくだけでこれだけありますが・・・
彼は人から注目を集め続けるために
これまで様々なジャンルや領域での「エンタメ性」を追求しています。
イケダハヤト氏とベクトルは違いますが
転身する際の振れ幅が大きく、とにかくその器用さと地頭の良さがうかがえます。
(※私自身は彼のファンでもアンチでもありません。)
権威性とエンタメ性を持続するには緻密な戦略がなければ難しい
イケダハヤト氏や中田敦彦氏の事例のように
一度特定の専門領域で成功したという事実に盲目的にならずに
自身の武器に見切りをつけて転身していく成功者もいます。
これは並大抵ではない努力と、緻密な戦略があってこそ成しうるものでしょう。
「権威性」を追求していくのか。
「エンタメ性」を追求していくのか。
はたまたどちらも両立させるのか。
やりようは人それぞれですが、継続して人から注目を集め続けると言うのは
恐ろしく大変な事だと言うのがわかります。
だからこそインフルエンサーになって稼ぎ続けるというのは、極めて困難で現実的ではないのです。
一度インフルエンサーとして注目を集めることができても
人は飽きやすいし流されやすい。
時代の変化が見えていない人は、2発目を当てることはできないのです。
あれは注目の集め方に行き詰った時の行動です。
同じような情報発信を続けていくと、人に飽きられないようにと、だんだん極論を言うようになったり、立ち振る舞いが過激になったりします。
「次の戦略」が無い人は、どんどん淘汰されていきます。
インフルエンサーのこれから。一般市民の末端層はゴッソリいなくなる
インフルエンサーマーケティングは完全にはオワコンにならないでしょう。
企業や著名人同士でタイアップできるようなインフルエンサーの需要はしばらく無くなりません。
「企業」からではなく「人」からモノを買う時代です。
しかし、今現在流行っているような「一般市民がインフルエンサーを目指す」というムーブメントは近いうちに終焉を迎えます。
インフルエンサーマーケティングというビジネスモデルは誕生してまだ浅い。
その真新しさや、「有名になってお金が稼げる」という自己顕示欲に飛びついたのは
他ならぬ私たち一般市民です。
これまで惰性的な生活を送っていたサラリーマン。
旦那を見返してやりたいという野望を抱いていた主婦。
将来に漠然とした不安を抱えた学生。
様々な年齢層の一般市民に突き刺さったのが、このインフルエンサーマーケティングです。
「うだつの上がらないサラリーマンが
インフルエンサーになって独立して自由な生活を送っている」
このようなサクセスストーリーに舞い上がってはいけません。
何度も言うように、
「一時的に稼ぐこと」はそう難しい事ではありません。
それを「維持し続けること」が何百倍も何千倍も難しい。
インフルエンサーとはそういうビジネスモデルです。
インフルエンサーマーケティングはかつての情報商材アフィリエイトに似ています。
その頃に名を馳せたアフィリエイターの9割は消えました。
今、インフルエンサーとして活動している人の9割は、5年も経たないうちに消えると言っても過言ではないと思っています。
イケダハヤト氏ですら「トップブロガー」のプライドを捨てた。
あれだけスキルを持った中田敦彦氏ですら、日の目を浴びない苦悩の時代があった。
専門分野のプロや喋りのプロでも、人から注目を集め続けて生き残るのは難しい。
一般市民の私たちにとって、それがどれだけ難しい事かを改めて認識しておく必要があります。