私は情報コンテンツによるネットビジネスの存在を知ってから10年近く経ちますが
10年前から定期的に「稼げる手法」が出てきては、
いつの間にか消えて行くのを何度も目にしてきました。
廃れるコンテンツというものには「時代の流れに弱い」という共通点があります。
例えば、2010年頃にダイレクトレスポンスマーケティングとして流行りに流行っていた
「情報商材アフィリエイト」というネットビジネスがあります。
インターネットで稼ぐ事ができた自分の経験をメルマガを通して情報コンテンツとして売り出したり、
その情報コンテンツを他人にアフィリエイトしてもらって広めたりする手法です。
この情報商材アフィリエイトは現在では随分廃れてしまいました。
かつての情報商材アフィリエイトをやっていた人たちのブログは軒並み更新が止まっています。(姿かたちを変えて、未だにLINE@やtwitterで情報販売をやってる人はいますが・・・)
原因として考えられるのは、時代の流れに適応できなかったという事に尽きます。
ネットリテラシー・情報リテラシーが高まったユーザー達は
情報商材から醸し出される「怪しさ」に嫌悪感を抱くようになり
さらには、かつて有料級だった情報を無料で公開する人が急激に増えてきており、
ますます「情報商材」というコンテンツは売れなくなっていったのです。
それが「インフルエンサーマーケティング」を母体とした「note.mu」、「LINE@」等のプラットフォームによる情報販売です。
インフルエンサーは、ブログやYoutube、SNS等のプラットフォーム上で
自分の影響力を武器に情報発信を行っている人たちの事です。
そして「note.mu」とは、記事や音声、動画を投稿できるプラットフォームで
有料コンテンツも販売できるという特徴があります。(規約上では情報コンテンツ販売は違反とされているが黙認されている)
情報商材アフィリエイトが流行っていた当時は「リスト」と呼ばれていたものが
今度は「ファン」「フォロワー」と呼ばれるようになり
「情報商材」と呼ばれていたモノが、「有料note」と呼ばれるようになります。
いつしか人は、情報の価値よりも
その「発信者の価値」にお金を払うようになっていきました。
しかし、インフルエンサーによる情報商材は、何故「情報弱者への搾取」だとか「詐欺」だとか言われる事が多いのでしょうか?
インフルエンサーは「自分の影響力」が武器である半面、悪評もあっという間に広がるという弱点にもなりえます。
悪い噂が立つことをとにかく避けたいインフルエンサーだからこそ、詐欺まがいの商売はほとんどしないと思ってもいいでしょう。
しかしその多くの有料コンテンツは、インフルエンサー自身も気づいていない大きな欠点を抱えているゆえ「搾取」と言われかねないんだと思います。
そもそも
搾取というのは「一方的に所有物を奪い取る行為」です。
情報商材の売り買いは「需要と供給」の間になりたっています。
結論、詐欺でもない情報商材の販売を「搾取」と表現するのは根本的に間違っています。
あまりにも価値の低い情報を発信する人間にも問題はありますし、それをちゃんと調べもせずに購入する側にも問題はあります。
これは、悪いと分かってながらも元本割れの保険を勧める営業マンと、それを良く分からずに購入する高齢者に似たようなものです。
搾取と表現する前に、消費者側にも問題がある可能性があることをまずは考える必要があります。
その上で、この記事ではインフルエンサーの商材が何故「搾取」と呼ばれてしまうのかという点と
これから私たちはどのような情報にお金を投資すべきかという点ついて解説していきます。
今回の記事でインフルエンサーの商材について批評を行うために、フォロワーの多いブロガー系・ツイッター系インフルエンサーの有料noteを30本以上購入して内容を確かめています。
以下はその上での私個人的な主張になります。
Contents
インフルエンサーの商材が「搾取」と言われる原因①再現性がない
インフルエンサーの有料コンテンツには再現性がありません。
正確には「インフルエンサーになるための再現性」はありません。
「ツイッターでフォロワーを増やす方法」や「ブログで月10万円稼ぐ方法」等には
すぐに実践できるようなノウハウが詰まっているのでしょうが
おそらく、こういったノウハウ商材をインフルエンサーと呼ばれるような人から購入する人は
心の奥底で「この人のようになりたい」と思って購入しているはずです。
しかしここには大きな落とし穴があります。
「ブログで10万円稼ぐ方法」や「フォロワー1万人超える方法」と
「その人(インフルエンサー)になる方法」は全く違います。
購入された情報商材が「搾取された」「再現性がない」「役に立たなかった」「稼げなかった」と酷評されてしまうのは、
提供者と購入者の価値感に大きな隔たりがあるためです。
それは、ツイッターのような不特定多数の人が目にする環境であれば尚更顕著に感じられます。
インフルエンサーは「なろうと思ってなるものではない」と私は考えています。
こちらの記事でも解説していますが↓
インフルエンサーの多くは、後天的に影響力を持った人がほとんどです。
その人たちは何かしらのジャンルで秀でており、実績を積んで自分なりのポジションを確立しています。
「インフルエンサーに成ろう」と思ってインフルエンサーマーケティングを始めると言う事は
何も核がない状態から人や仕事を集めようとしている事に他ならないわけです。
再現性がないものをノウハウとして追い求める人が一番マズい
以前、「キメラゴン」という中学生ブロガーが月に何百万も情報商材で稼いでいた事がありました。
中学生という若さでネットビジネスでお金を生み出す経験をする
それ自体は素晴らしい事ではあるし、中学生当時の私には真似できなかった事だと思います。(当時とはネット環境他、各プラットフォームの普及が雲泥の差ではありますが・・・)
キメラゴン氏自信はブロガーとは名乗るものの、ブログ自体の収益は数千円で、収益の大半はnoteによる情報コンテンツの販売によるものでしょう。
そのnoteの内容は「中学生の自分がどうやって収益を上げてきたか」というものになります。
中学生がどうやって収益を上げてきたのか?という内容を、興味本位で「自叙伝・読み物」として読む分にはいいんだけど
そのコンテンツ自体を「ノウハウビジネス書」として購入する大人が多いという現状が非常にマズイです。
キメラゴン氏が成功できた背景には「中学生」という、これ以上ない強みがありました。
この世の大人の誰にも再現できないその最大の強みを理解しないまま、それに成ろうとしている「大人」の自分に気づけていないのです。
大人ってバカなんです。
。なんだかんだで、その時代の需要にマッチして売れるべくして売れたインフルエンサーでしょう。
結局は皆、無意識のうちにその情報発信者(インフルエンサー)の様になりたくて商材を購入しますが
それはあくまで自叙伝に近いものになります。
これがインフルエンサーの情報商材には「再現性は無い」と私が主張する根拠になります。
私自身も10年ほど前に情報発信を始めようとして一度挫折しています。
その際は、既に大きく稼げている人を真似て
心理学やらビジネス論を語るサイトを作ろうとしていました。
しかし、「何かが間違っているんだろうな」とは漠然と感じていましたし、
その情報発信がマネタイズにつながる姿を全く想像できませんでした。
結局は、発信者の外っ面だけを真似をしていたに過ぎないという事です。
「インフルエンサー目指しています!皆さんに役立つ情報をシェアできればと考えています!」
このように、インフルエンサー自身に憧れを持つ新米インフルエンサーは
かつての私のような実績の無いうちから心理学やらビジネス論について語ろうとします。
これがそもそもの間違いでしょう。
まずやるべきは実績を作る事。
重要なのはインフルエンサーの「外面」ではなく「内面」です。
その内面はインフルエンサー自身の経験や実績が蓄積されてできた核であり、
そこには再現性がない事を理解しておかなければなりません。
そう考えると「フォロワー1万人にする方法」を聞いてもその人のように稼いだり影響力を持ったりできるかどうかは別問題だと分かります。
その人に憧れて同じような発信を続けても全てが二番煎じ。
自分のフィルターを活かした自分だけの武器を作らなければなりません。
インフルエンサーの商材が「搾取」と言われる原因②どこかでみた事あるようなコンテンツになっている
インフルエンサーの商材の多くは、書店やインターネットを使えば
いつでも手に入れる事ができるようなノウハウ情報とマインド論で構成されているのがほとんどです。
だからこそ
「この人の情報には価値がない」
「情報弱者を搾取している」
といった批判が一向に減らないのです。
しかし、私はこの事実を批判するつもりは毛頭ありません。
この情報過多の時代では、あらゆるコンテンツが無料で手に入ります。
私自身がサイト運営で大きく稼いだ方法を有料情報として発信しようとしても、
その根底にあるものは、成功者がずっと昔に語っていたような成功法則と似通った情報にならざるをえません。
もちろん、私が実際に経験して「こうすればよい」と感じたポイントを伝える事ができるのでしょうが
やはりそれは結局、これまでの先駆者が築き上げてきたノウハウやマインドに帰結してしまいます。
私は当サイトでしつこいほどに「情報過多の今の時代に情報の価値は無い」と主張しています。
これからの時代はやはり
「人」に情報が集まり、「人」によって情報の価値が高まります。
そしてそれらの情報を「占有」するのではなく「共有」する時代になっているのです。
使い古された情報であればそこまで価値は感じませんが
「その人」だからこそできる情報発信に人が集まり、価値が高まっていきます。
マイクロインフルエンサーと呼ばれる人の多くの商材は、
なんだかんだで本質をとらえてはいるものの、どこかで見た事ある情報ばかりです。
結論としては、「この人から買いたい」と思うような人にお金を払えばいいという
至極単純でありきたりな答えになります。
さきほどの中学生ブロガー、キメラゴン氏の例がまさにそれです。
大人はキメラゴン氏がどういった経験を積んできて今に至るのかを知りたくて情報を購入しています。
それに相対的な価値や実用性があるかどうかは別です。
キメラゴン氏の情報だから買ったのです。
インフルエンサーの商材が「搾取」と言われる原因③ノウハウよりも精神論
ある程度収益を発生させることができたインフルエンサーと呼ばれる人たちは、
ノウハウよりも精神論(マインド)ばかりを語る傾向にあります。
これは「早く稼ぎたい」と思っている多くのネットビジネス初心者に最も嫌われる行為です。
「稼ぐ方法を知りたいのに精神論ばかりだった」
「結局、自分が稼げたのは運でしょ?」
「ライバルが増えることを恐れてノウハウを教えないんだろ」
このように思われて
いつしかその情報商材が「情報弱者への搾取」と表現されてしまうわけです。
では、なぜ多くのインフルエンサーは精神論やマインドについて語りたがるんでしょうか?
なぜなら、ノウハウを語れないからです。
成功者は既にノウハウを知っており実践し終えたからこそその立場にいます。
今更初心に立ち返ってノウハウを語るというのはそもそもやる気が起きません。
私もサイトアフィリエイトでこれまで1000万円近く稼いできましたが、
このノウハウについて細かく教えてくれと言われても、具体的なノウハウなんてあんまりないんです。
初期段階である程度済ませてしまったサイトの立ち上げ方とか
具体的なライティングとかタイトルの決め方とか
これまでの経験が積み重なったおかげで条件反射的に行えるそのメソッドを
深く踏み込んで語る気にもなれないんです。
環境が変わればわざわざ小手先のテクニックを改めて語る気になれません。
それより大切な何かが、これまでの自分を支えてきたように感じるからです。
カンブリア宮殿で色んな大企業の社長の話をずーっと聞き続けていたら、ある共通点に気付きました。
みんな、人の為とか、従業員の為とか、そんなことを言うんです。
創業当初は自分の稼ぎのためだったはずです。
しかし、ある程度環境も心境も変われば、もはや具体的に自分がどうやって稼いできたかなど語りたくなくなります。
高尚な起業目的を語りたくなるんです。
それしか語りたくないし、そういうものだと思いましょう。
だからこそ、ネットビジネス初心者は肩透かしを食らった気分になるんです。
私がここまでサイト運営の情報発信で稼げるようになったのは、結局のところテクニックやスキル云々ではなく
とにかく自分の頭で考え抜いたことと、
売上が上がらずとも年単位で息長く続けてきたからだと思っています。
テクニックやスキルは大事ですが
それはマインドを養って自分なりのアレンジを加えてテクニックとして昇華すべきなんです。
しかしそれは稼げないうちには理解しがたいので、どうしてもわかりやすいテクニックやノウハウの方が大事なように思えてしまうわけです。
「搾取」と考えている人はそもそもの前提と認識が間違っています。
しかも、この認識の間違いを正すのも結局はマインド。
だからこそノウハウを始めから追い求めている人は、一向に稼げる軌道には乗れないのです。
インフルエンサーの有料コンテンツを「搾取」と批判してしまう人の多くは、
「ノウハウ至上主義」か「時給脳」のどちらかです。
不安を極端に煽り続けるインフルエンサー側にも問題がある
情報の受け取り手だけの問題ではありません。
インフルエンサー側にも問題があります。
インフルエンサーが情報を提供する際に過剰なほどネットユーザーを煽るのは
少し考慮すべき点があるようにも感じます。
例えば
「ゲームが仕事になる時代。好きな事を仕事にしよう」
「今の時代、大学に行く必要はない」
「嫌ならサラリーマンはやめろ。会社に搾取される人間になるな」
このような極端な発言です。
一定以上の熱狂的なファンを作るには過激的な発言も確かに有効です。
しかしこれは人の不安を必要以上に煽り、人の判断力を奪いかねない言論です。
インフルエンサーはその名の通り影響力を持つ人です。
その人の何気ない発言に影響を受けて、一生を左右させるような人が実在するわけです。
ひとたびインフルエンサーになってしまえば安泰に思えるかもしれないが、実のところはそうではありません。
インフルエンサーは人から忘れ去られ、注目されなくなると影響力を失う。
影響力が武器である以上は、「いかに人に飽きられないようにするか」が生命線であり
そのためにはどんどんどんどん、発言が「極論」に近づいて行ってしまう傾向があるんです。
とあるエンタメ系YouTuberが再生数稼ぎのために
警察沙汰の問題行動を起こして話題になることはちょくちょくあります。
これは、発信できる動画ネタが枯渇してしまい、
人を飽きさせない、面白い動画を取るためには、動画がどんどん過激になっていかざるを得ないという現象によって起きるものです。
これはインフルエンサーにも似たような事が言えます。
インフルエンサーとして一度有名になっても、その影響力を5年10年と維持させることは至難の業だと言えます。
そのためには人が飽きないような情報発信を続けていく必要があります。
いつしか似たような発信者が増えてきて、
それまで丸みを帯びていた主張がどんどん極論よりになっていき、
いつしか極論ばかりを口にする炎上系インフルエンサーに成り果てるのです。
インフルエンサーは自分の影響力が強い分、悪評が広まるスピードも恐ろしく早いです。
面白い発信ができるインフルエンサーは極論を口にする人が多いのはこういった事実からです。
共感を得ようとするニュートラルな情報発信はどうしても飽きられてしまうんです。
極論ばかりを主張するインフルエンサーの周りには
「搾取」とはやし立てるアンチが次から次へとわいてきます。
それは決してアンチだけが悪いわけではありません。
インフルエンサーの主張が全て正しいという先入観は捨て去り、
自分で情報の正誤を判断できるようになる必要があります。
情報過多の今の時代に、どのような情報にお金を投資すべきか
私が個人的に絶対投資すべきだと考えている情報は二つあります。
- 市場リサーチの為の情報収集
- 独自商品作りの為の情報収集
この2つの情報です。
詳しくはこの記事で割愛します。詳細はこちらの記事でも解説していますので目を通しておく事をお勧めします。↓
平たく言うと自己投資の為の情報であることには違いないのですが
インフルエンサーが拡散している有料情報と大きく違うのは
「ノウハウ」ではないという事。
自分の情報発信にはどのようなターゲットがいて、
どのくらいの規模のマーケットが存在するのかを調べるための投資や
自分独自の商品を作るために、書籍やセミナー、取材等に投資する。
インフルエンサーという「発信者」が提供する情報に対してただ受け身になるわけではなく、
あくまで主体は「自分」であり、こちらから積極的に情報を刈り取っていくという姿勢です。
自分の価値を高め、自分の商品の価値を高める情報への投資が求められてくるんだ。
インフルエンサーの情報商材が「搾取」と呼ばれる原因は、
インフルエンサーだけではなく「情報の受け取り手」にもあるという事です。
どのような情報を選択していくかを肝に銘じて投資を心がけて行きたいですね。