ここ30年近く不景気が続いている今の日本ですが
現代の日本人は「貯金」することを美徳だと感じています。
「お金がないから・・・」
「マイホームや車の為に・・・」
「老後が不安で・・・」
こんな言葉がそこら中に溢れていますが
はっきり言って貯金し続けてもお金もちには成れません。
老後が不安と考えているなら、貯金している暇は無いんです。
この記事では、「お金を増やすには貯金をすること!」という悪しき慣習が根付いてしまっている日本人が誤解している3つのポイントについて解説していきます。
今の現状から脱却して、お金を増やしたいという人は必ず目を通しておくことをお勧めします。
Contents
詐欺セミナー講師が言っていることは本質的には正しい
ネット上の怪しいセミナー勧誘を行っている人は
「貯金をするな!」
「日本人は情報に投資することを躊躇い過ぎている!」
「成功者はお金をどんどん投資している!」
と口々に言います。
事実、成功者はお金を使うことにためらいはないし、日本人は「情報」に投資するという感覚も薄いです。
詐欺セミナーはどうあれ私が「貯金するな」と口にするのはニュアンスが全く違います。
詐欺セミナーはセミナーに参加してもらうため、自分の商材を買ってもらうために「貯金するな!お金は使え!」と口にします。
私は時代の潮流、日本の現在の市況を見るに
国民が現状維持に徹して貯金し続けることが一番の不景気を招いていると考えているため、「貯金するな」と口にしています。
お金は使わないと景気が良くならない。
けど景気が良くないから皆お金を使わない。
ずっとこの悪循環が続いています。
景気を良くするためには、ひとりひとりがもっとお金を稼いで
ひとりひとりがどんどん消費や投資にお金を回すしかありません。
ちなみに、詐欺セミナーには絶対引っかからないように。
セミナー講師は恐らく、自分の手元に集まったお金を世の中に還元する事はありません。
価値も生み出しません。
誤解①国民は貯金するとお金が増えると思っている
そもそも
貯金とは顧客(私たち)が銀行にお金を「預けて」いるわけでなく
銀行に「貸して」いるということに関してまずは理解しておいてください。
銀行のお金についてはこちらの記事でも解説しています。↓
そして、私たちが銀行に貸しているお金は、ATMから降ろす際に「手数料」がとられます。
さらに、日本はマイナス金利政策を貫いているので
いくら銀行にお金を大量に預けていようとも、利子はほとんど増えません。(1,000万円預けて半年でワンコイン程度。)
銀行に貯金しているとお金が増えることは無いけど、
お金が減る機会はいくらでもあるってことです・・・
サラリーマンの月収の絶妙な低さが「貯金させる」のに丁度いいライン
日本の給与体系は大卒22歳で月20万円前後で始まり、30代で35万円前後が平均となります。(地域差かなり有り)
これが「生かさず殺さず」の生活を保てる丁度ギリギリのラインなんです。
給料を上げ過ぎても人は働かなくなるし、給料を下げ過ぎても生活ができません。
給料から諸々の保険料を差し引いた手取り。
やっと残るお金が3万~5万くらいになるのが生かさず殺さずに丁度いいです。
20代の内は給料少なくても独身の人も多いので、頑張れば月3万~5万残すことも可能。
30代、40代になると給料は増えるが、家族に使うお金もグングン上がってくるので同じく月3万~5万残せば優秀。
そしてこの残った「何とも言えない3万~5万のお金」はどうするか?
そうです。
堅実な方は貯金するんです。
しかし毎月コツコツ3万円~5万円貯金しても
子供の進学のタイミングや旅行、お盆や年末などの突発的な消費で簡単に無くなります。
前述した通り貯金するだけではお金はなかなか貯まりません。
誤解②貯金したお金の価値は下がっていくことを知らない
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今の日本は慢性的にデフレの状態が続いています。
デフレとは、物価の価値が下がり、相対的にお金の価値が上がる事です。
相対する言葉としてインフレというものがあります。
インフレは物価の価値が上がり、相対的にお金の価値が下がる事です。
基本的にデフレの状態だと人手が足りているため、サラリーマンの賃金が下がります。
インフレの状態だと人手が足りずに需要が高まっているため、サラリーマンの賃金が上がるとされています。
しかしここで疑問が。
今の日本はデフレ。人手が足りてる状況だから賃金安いということ。
しかし「人手不足だ!」っていろんな所で耳にします。通常のデフレなら普通は給料が上がるのではないでしょうか?
これについてはまた別の記事で解説するね。
日本は1997年から20年以上サラリーマンの賃金が全く上がっていない国で、
これは先進国の中ではほぼ日本だけという不名誉を持っています。
賃金を上げるためにも、政府は今のデフレの状況を脱却したくて少しずつインフレに近づける狙いがあります。
そしてもちろんインフレに近づけようとすれば必然的にお金の価値は下がります。
これから先、銀行に貯金しているお金の価値は上がるよりも下がる傾向にはあるので
「何十年先の老後のために貯金したお金」の価値はどうなっているかは何となく想像できます。
デフレが酷いからインフレを目指しているとはいえ、お金の価値が下がると日本の富裕層が困るので、政府は建前上だけインフレ目指している形です。
インフレさせる為には税金を増やすのが手っ取り早いのですが、社会保険料や消費税を増やしたものの、法人税や株式の所得税は低いまま。
そして、貧富の差が激しくなる株の所有に対しての徴税も依然として緩いままです。
自分の中でもお金の価値は下がっていく
さらに考えてほしいのが
30代40代のころに貯めた10万円と
80代になってから使う10万円は
果たして同一の価値を発揮するでしょうか?
80代になって使う10万円は、病院代とか食費とかその他の生活必需品にしか用途がないことは間違いありません。
その年に没頭できる趣味があればまた別ですが・・・
30代40代のときの10万円は無限大に思えるほど用途があるんです。
さらにもっと言えば
小学生のころにお小遣いでもらった500円を
10年後の大学生まで持ち続けていたとして、その500円がいったいどのような価値を発揮するでしょうか?
今度は使う用途はたくさんあっても、お金の総量が少なすぎるんです。
お金は歳を重ねれば重ねるほど、相対的に価値を見いだせなくなっていきます。
これが不思議と延々続いていくんです。
誤解③不景気なのは政府だけのせいだと思っている
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不景気の根本的な原因は次の3つだと私は考えています。
- 景気を締め上げる政府の介入
- 庶民がお金を貯め込んで使わない
- 会社が給料を上げない
もちろん、インフレが一向に進まないのは政策にも不完全な部分があるからでしょう。
慢性的にデフレ状態であれば給料は上がらない。
それなのに増税が施行されれば
ここで増税を行って結果的に市況が冷え込むのはある程度予想はできるかと思います。
ただ、私は消費税10%程度では深刻になる程の景気悪化にはつながらないとは思っています。
不景気煽ると、みんなまた貯金しようとして景気が悪くなるからね。
今回の増税は別に景気をよくするための施策じゃないので、結果的に悪くなることはあるかもしれません。
消費税増税は別に国のお金が足りないからとかそんな理由ではなく、極端なインフレを防ぐための「調整」に過ぎません。
お金が無くなったら国債発行して日銀に買い取らせればいいので、元々消費税なんて徴収しなくても政府の金は無くならないんです。
もっと危険視すべきなのは庶民がお金をため込んで使わないこと。
これを政府は一番恐れています。
多くの日本人は、人生目標が「貯金」になっています。
それは銀行だろうと自宅のタンスであろうと
ただ貯める。
それに徹しているのが日本の景気を悪くしていることに気づけていない人が多いのでしょう。
なぜ日本人は貯金が大切だと思うようになったのか?
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一般庶民が貯金をすることで一番得するのは、他ならぬ国・政府でした。
日本は戦時中、膨大な戦費を調達するために郵便局を作り
国の予算として国民のお金を預かっていました。
戦時中はとにかく軍事力と労働力とお金が欲しかったので
「贅沢するな!」「お金を貯めろ!」というプロパガンダの元
一般庶民の認識として貯金が当たり前という感覚は根付かされていきました。
今では「貯金」という仕組みで得する人はほとんどいません。
国民が貯金すれば、不景気を招くので政府が困る。
国民が貯金すれば、銀行はその負債をなくす為に融資をひたすら続けなければならない。
国民が貯金しても自分のお金は増えない。
誰も得してません。
その現状があるにも関わらず
「不景気だ」とマスコミに煽られると、また「貯金しなきゃ」という思考が蔓延するんです。
勘違いしないでほしいのは、別に貯金の全てが悪い事だという意味ではなく、
目的もなく「ただ不安だから」と漠然と預けている状態が悪いという事です。
税を上げたら消費は冷え込む。
税を上げないとインフレの帳尻を合わせられない。
けど、富裕層への忖度で法人税や株式の所得税は上げられない。
そうして生まれたのが、先進国としては世界一位の借金大国「日本」だ。
経済潤わないので、国の借金はついに1000兆円を超えています。
しかし日本は対外純資産が世界一を誇ることと、日本国債が世界的に見ても信用が極めて高いことから経済破綻は起きにくい。
破たんはしないけど、国民(一般庶民)の生活水準は低いままなんです。
そして国民は景気が悪いと思いこむと財布のひもを更に固く締めて、貯金へとさらに邁進するのです。
お金を増やす為に私たちがこれからすべき事
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では、経済を良くして個人のお金を増やすにはこれからどうしていけばよいでしょうか?
貯金は経済に何の価値もないことが分かっている以上、お金は使わないといけません。
しかし、みんな貯金する。
コロナ危機でマスクやトイレットペーパーを買い占める人が増えたように、
人は不安になると自分の手元に貯め込みたくなるのです。
だから政府は税金を増やして、国民が手元に貯金しているお金を回収せざるを得なくなる。
そして使うお金を増やすには、一人一人の国民が自分で稼げる力を身につけることが必須です。
日本人は「投資」に関する教育を受けてませんし、
興味を持たない人がほとんどでしょう。
さらにはリスクを恐れ、失敗を怖がるのも日本人ならではです。
そしてまわりの皆が言う事に迎合して、政府や富裕層を悪者にして叩くのも日本人の特徴。
自分から環境を変えずに、環境を変えるのは他人任せにして
ひたすら現状維持を続けるのも日本人。
自分で稼ぐ力を身につけようともしないのに、今の環境を変えようともしないのに
「金持ちはもっと納税しろ!」
「給料が上がらないのは政府のせいだ!」
こんなことずーっと訴え続けるんです。
みっともないと思いませんか?
やるべきことはただ一つで
自分が変わればいいんです。
いくらオンライン上で政府を批判したって政府を変えられないし、お金は増えません。
なぜ口だけの国民が政府に変わってもらうことを期待し続けているんでしょうか?
人の役に立つ情報発信や商品・サービスの開発に打ち込めばいいんです。
この情報社会の世の中では、マネタイズに繋がるようなモデルが数え切れないほど生まれてきています。
まずは自分で調べてみましょう。
環境を変える努力をしましょう。
現状維持が最大のリスクです。
自分で「世の中は不景気だ!」と判断して、勝手に貯金しておいて
「景気は一向に良くならないじゃないか!」
なんて叫んでも滑稽なだけです。
政府や富裕層に対する不平不満を
ネット上でいくら書きこんだ所でお金持ちにはなれません。
まずは自分が稼げる力を身につけて、
稼いだお金はため込まずにお金や価値を世の中に還元するようにしていきましょう。