昨今ではインフルエンサービジネスという
個人の影響力を利用したコンテンツマーケティングが流行っています。
一般人でも参入しやすいという利点と、「自分の好きな事を仕事にする」という事、
「インフルエンサーの自由な生活」への憧れ等も相まってか
特に夢見がちな学生、20代、30代前半の人達に大人気のビジネスモデルとなりました。
インフルエンサーを平たく言うと、
自分のスキルや影響力を利用してお金を回すフリーランスです。
インフルエンサーの華やかさ、フリーランスの自由さって憧れますよね。
好きな事を仕事にできる時代って素晴らしい!
普通のサラリーマンを悲観している人は多いけど
フリーランスってどれだけリスクを背負い込んでいる生業なのかを理解していない人もまた多いはずです。
「脱社蓄!」
「好きな時に働く自由な生活!」
「好きな事で生きていく!」
「何ものにも縛られない!」
このような、フリーランスに憧れる人が掲げるフレーズは、
ただの「働きたくない」というメッセージになっている事が多々あります。
フリーランスで成功する人、フリーランスが続く人は
ポジティブな目標に向かって行動しているという共通点があります。
決して「社会に出たくない」「会社勤めが嫌」「自由に生きたい」というような
怠けたような目標意識では絶対に成功しない事をお伝えする記事となっています。
Contents
フリーランスが厳しい理由①それほど若者向けの職業形態では無い
フリーランスの人口比率は次のようになっています。↓
意外に思われるかもしれませんが、フリーランスは決して若者が多いというわけではありません。
30代と40代が8割近くを占めており、20代に至ってはたったの7%です。
中卒という経歴でフリーランスとして働き出した「おのたく」氏の体験記noteです。
社会人経験もする事無く、フリーランスを選んでしまった後のその苦労について赤裸々に語るnoteとなっています。
これだけ「読ませる文章」を執筆できる素晴らしいライターですらも苦労しているという現実です。
フリーランスはいかに多くのクライアントから受注を請け負うかが重要です。
社会人経験も人脈も少ない若い人は、どうしてもクライアントの獲得に苦しみます。
若いうちにいろいろチャレンジする事は良い事ですが、
その目的が「会社辞めたい」とか「楽したい」とか楽観的なものであればある程
そのギャップに苦しむことになります。
そして、フリーランスはその自由さにどんどん慣れて行き、今に苦しくなって行くのです。
実はフリーランスになる前に会社勤めをしていた事がある人は96%にも上ります。
フリーランスとして強さを発揮できる人材は、そのほとんどが勤め先でのスキルや経験を活かしての独立です。
だからこそ30代、40代がほとんどを占めている訳です。
年齢を重ねた後に初めて会社員を経験するような事になれば、かなり苦労するのは目に見えている。
結果的には、別の意味で社会人のレールを外れる事になりそうだけどね。
フリーランスが厳しい理由②フリーランスは収入が不安定。かつお金の管理が大変
「フリーランスは稼げる」という思い込みは非常に危険です。
フリーランスを希望する多くの若者は、フリーランスで生計を立てていくことが
どれだけ厳しいものか実感を持っていない人が多いように思えます。
極めて重要なのは「稼いでも、どこでお金を差し引かれて、どこで保証が無いのか」という事を認識しておくことです。
これは専業フリーランサーを年収別に分けたグラフです。↓
専業フリーランスは300万以上稼げている人が7割以上いる事になります。
意外と稼げているように思えますけど・・・これって普通のサラリーマンと比べて多いのでしょうか?
ちなみに世の中のサラリーマンの30代40代の平均年収は400万~500万程度。
フリーランス年収でも大体真ん中に位置するくらいの年収だから、どちらも同じくらいという事にはなります。
ただ、フリーランスは自分で節税できるという利点に置いては、サラリーマンより手元のお金を調節しやすいというメリットはあるでしょう。
ご存知の通りフリーランスはあらゆる税金の支払いを自分でしなければなりません。
さらには自分で仕事を引っ張って来て、自分で時間を調整して、
とにかくすべてを自分で決定していかなければならないという
極めて精神を削る仕事です。
怪我や病気で働けなくなった時の収入の支えも自分で管理する必要があります。
会社に勤めると言う雇用形態であれば、様々な保険・保証が付いています。
フリーランスは自分で保険の管理もしなければなりません。
お金を稼がなければならないという事だけがフリーランスの苦悩ではないのです。
「脱社蓄!」とか「自由な生活に!」とか気軽に口に出せないはずなんだよね。
フリーランスが厳しい理由③さほど自由は無く、好きな事だけで仕事している訳ではない
フリーランスになりたい理由に「そちらの方が楽だから」という理由を上げている人をたまに見かけます。
「対人関係で気楽」という意味ならなんとなくわかりますが、
あらゆる管理を自分でしなければならない決して楽ではないのは先ほど解説した通りです。
もちろん、好きな事だけで稼げるわけがありません。
やりたい放題、自由に仕事して生活できたら皆フリーランスになれています。
YouTuberやインフルエンサーに憧れてフリーランスを目指している人は
ある意味、彼らの事を理解できていない人たちだと思います。
私の大好きな漫画に「憧れは理解から最も遠い感情だよ」というセリフがあります。
これがまさしくフリーランスやインフルエンサーに憧れる人達にぴったり当てはまる言葉です。
「憧れ」ているだけでは、表面的な華やかな部分しか見えません。
- 時間に縛られず好きな時に自由に稼ぐ
- 好きなことでビジネスができる
- 年収1,000万円も夢じゃない
これは一種の彼らなりのプロモーションであり、コマーシャル。
華やかな生活しているところを見せることで、そういったものに「憧れる」人を作り出そうとしているんだ。
決してこれは悪い事ではありません。
そういった顧客を作って、ファンを作って商売をしていくという、歴としたビジネスです。
フリーランスに憧れを抱く人は、フリーランスの泥臭さ・過酷さに
無意識のうちにフタをしてしまいます。
インフルエンサーの陰に潜んでいるのは
地道な労働と、自分で稼がなければいけないというプレッシャー。
泥臭い仕事こそが彼らの魅力を下支えしている事を理解しておかなければなりません。
「会社を辞めて自由な働き方」とか
「好きな事で稼げる」とか聞こえのいいセリフ並べられると、フリーランスの大変さとか薄れてしまいます。
「憧れ」るだけでなく、ちゃんと「理解」していないと痛い目を見ます。
フリーランスが厳しい理由④一生食べていくのは極めて難しい
フリーランスで一生を食いつなぐ事は難しいと言われています。
フリーランスの開業後の期間は次のようになります。↓
つまり、10年以上もフリーランスとして続いている人は17.4%しかいないという事です。
このグラフがフリーランスの全てを物語っているようにも思えますね・・・
これから働き方の多様化により、フリーランス人口は増えていくかとは思いますが
働き方が多様化するという事は、「正解」や「再現性」が低いという事でもあります。
会社に勤めると言う事は、誰でも再現性がある事です。
しかしフリーランスはその人に合った、その人にしかできないような働き方が求められます。
フリーランス人口が増えれば、有る程度、受注のしやすさ等の土壌は整うかもしれませんが
それだけ競合・ライバルが増えると言う事です。
競合が増えた時に、あなたは果たしてフリーランスを続けていられる程の安定感を保てるでしょうか?
フリーランス市場は飽和して仕事の獲得が難しくなる未来も想定しておかないといけないでしょう。
一生それで飯を食っていけるのか?今一度考えなおしてみよう。
楽観的なフリーランスへの憧れは「現実逃避」に近い
この記事では、若くしてフリーランスになることへのリスクについて言及してきました。
フリーランスになるなと言っている訳ではありません。
大した目的も無く、「社会に出たくない」とか「自由に働きたい」というような
楽観的なフリーランスは絶対に痛い目を見ると言う事が、本記事を通して伝えたかった事です。
これがいかに難しいかは社会人になって初めて気づきます。
だからこそ大学卒業していきなりフリーランスになるのはオススメしません。
チャレンジこそ若いうちの特権ですが、
チャレンジの目的が「自由になるため」なんて言ってるようでは成長できません。
フリーランスに憧れるのは危険です。
フリーランスを理解することから始めましょう。